同志社大学 東アジア総合研究センター

センター長のご挨拶

同志社大学東アジア総合研究センター長 鄭 躍軍

同志社大学では、一貫して「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」の3つの教育理念に基づき、良心を手腕に知識、能力を運用し、社会に貢献する人物の育成を目指しています。このたび、「国際主義」の更なる実践の一環として、2009年12月に「東アジア総研究センター」が発足しました。「東アジア総合研究センター」では、日本・韓国・中国を主な対象とし、冷戦後の東アジア諸国の現状を真剣に調査研究した上で、より協力し合う関係を築くためには、我々は何をすべきかを積極的に提言することを目指しています。

世界の他の地域に比べ、東アジア地域の問題は遙かに複雑で多様化しています。東アジア総合研究センターは、学内外の多分野の研究者による共同研究、企業との連携研究などを深めることを通して、既存の研究分野を超えた総合的な東アジア研究を行い、一連の研究成果を社会や教育の現場に還元することを目標に活動を展開しています。

東アジア総合研究センターの活動に対する皆様のより一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

同志社大学東アジア総合研究センター長 鄭 躍軍

センターの概要

1.設置の目的

日本・韓国・中国を主要国とする東アジアでは、冷戦後の経済交流が活発化しているのにもかかわらず、文化や政治などの分野にかかわる幅広い交流は一歩遅れているのが現状である。 その主な原因としては、相手国における一般市民、企業、そして行政部門などの文化変遷に対する理解が欠如していることが指摘されている。EU、北米と肩を並べ、世界の一極を握ろうとする東アジアにおいて、多分野の活発な交流を本格的に促進し、国際理解をより一層深めることがますます重要となっている。
そのため、グローバル化が進んでいる各国の政治、経済にとどまらず、各々の社会を支える伝統文化、人々の生活様式や価値観などの実態と変遷について現地調査により関連する情報を客観的に収集・蓄積することだけではなく、データの科学的分析を基にした発信が不可欠である。

同志社大学東アジア総合研究センターは、「データを中心にものを語る」という視点から、国際共同研究プロジェクトを推進することにより、東アジアの文化・社会の変容をデータにより探索することを使命としている。
これと同時に、市民社会からの多様な要請を踏まえ、本学の「国際主義」的教育理念を基に、各種研究成果を大学教育の充実や国際交流の促進への幅広い応用を積極的に推進していく。

2.主な研究内容

関係省庁の競争的資金や民間等の外部資金などの獲得を主な資金源として、以下の4つの研究内容を重点的に推進していく。

  1. 「東アジア研究の方法論開発」:国内外の研究者間による共同研究を展開することで、東アジアの文化、社会、政治、経済、法学等の現地調査及び情報分析の方法論を開発する。
  2. 「国際共同研究ネットワークの形成」:ハブ役として国内外の研究機関との多分野連携を取ることにより、東アジア地域社会に関する学際的な共同研究組織を結成し、新たな研究領域を開拓していく。
  3. 「東アジア情報アーカイブの構築」:文化をはじめ、経済、環境などの様々な分野の調査データや研究成果を中心にデータベースを構築することで、東アジアの相互理解と地域共同体の形成をより一層促進するための基礎情報を収集・蓄積し、発信する。
  4. 「民間機関との共同研究の促進」:東アジア各国の民間機関の要請を受け、本センター研究員の専門分野に関わる受託研究プロジェクトの推進を積極的に図る。

一連の研究プロジェクトの推進により得られた研究成果を速やかに本学の教育活動に生かすことで、実際の問題に対する理解能力と実践能力をともに備える学生を育成する。

本研究センターの構成員は、これまで東アジアの文化、社会、政治、経済などの分野を中心に、東京大学、統計数理研究所などの国内研究機関との連携をとり、韓国の慶熙大学、高麗大学、中国の北京大学、中国人民大学、浙江農林大学、大連交通大学、香港城市大学及び台湾大学、中興大学、輔仁大学などの海外研究機関との共同研究を継続している。
これらを機に、東アジアに関する学祭的研究の重要性が深く認識されて、研究環境が既に整っている。

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